認知の歪みについて

はじめに

 この「認知の歪みについて」はメンタルコーチを始める前に書いた、専門的な話なので、最初は難解かもしれません。

私のセッションを受けると認知の歪みについて気付くようになる方も多いので、認知の歪みについて感じられるようになってから読んでも遅くはありません。

心理状態の背景にある認知の歪み

 心理状態の背景にあるのはわたしたちは多くが日々の繰り返し、育ってきた中で経験してきた当人が気付かない「歪んだ認知」が繰り返されていくうちに、自動的な思考あるいは行動パターンになってしまい、「心の癖」になっていることがよくあります。それが心理状態を生み出していると言えます。

認知の歪み」に客観的に気づくこと

 「自分の世界」にどっぷり浸っていると、なかなか気づきませんが、多くは「認知の歪み」に客観的に気づくことも1つの方法です。

 わたしたちの「認知の歪み」にはいくつかのパターンがあります。
 古典的名著とされる本

「自分で学ぶ「抑うつ」克服法いやな気分よ、さようなら増補改訂第2版」(デビッド・D・バーンズ著)

 では「認知の歪み」のパターンを示しています。
 アメリカ人が書いた本なので、やや理屈っぽく、大まかにわけられていますが、こういう視点もあるという事で あなたの気づきにつながればと思います。抜粋して紹介しましょう。


1.全か無か思考

 ものごとを極端に、「全か無か」「白か黒か」に分けて考えようとする傾向のこと。
ちょっとしたことで「すべて台無し」とか「何もかもおしまい」という極端な判断を下す。ものごとは「絶対に○○」「全て○○」ということはなく、何割かそういう面もあるが残りの何割かはそうでない、というのが本当であるが、そのように見れない。このゆがみのもとには完全主義がある場合が多い。

2.一般化のしすぎ

 一つか二つかの事実を見て、「全てこうだ」と思いこむ傾向。一度か二度起こったことが、この先も永遠に起こり続けるように思いこむ。
 たとえば、ある人に嫌われたからといって世界中の人に嫌われたように思い、「自分はもう誰からも好かれない」と思ってしまう。

3.選択的抽出(心の色メガネ)

 物事の悪い面ばかりが目につき、他のものは何も見えなくなってしまう。
悪い事もあれば良い事もあるのだが、うまくいったことは目に入らず、悪いことばかりが見えて(心の色メガネ)落ち込んでしまう。

4.マイナス思考

 良いことが見えなくなり、何でもないことや、良いことまでも悪いように悪いように考えてしまう傾向。例えば、うまくいったことでも「たまたまうまくいっただけ」「誰でもできること」「まぐれだ」と正当に評価できず、ほめられても「お世辞を言われている」と悪いようにしか思えない。

5.レッテル貼り

 「一般化のしすぎ」や「選択的抽出」がより極端になり、ちょっとした失敗体験などをもとにそれが自分の本質であるかのように自らにレッテルを貼ってしまう。「自分は駄目な人間」というのが典型的なパターン。自らにそういうレッテルを貼ることでますますそのように思えてくるので、さらに落ち込み、悪循環に陥る。

6.独断的推論(心の読みすぎ)

 わずかな相手の言動から、勝手に相手の心を読み過ぎて、事実とは違う結論を下してしまうこと。自分の側で誰かがひそひそ話をしているのを見ると「自分の陰口を言っているに違いない」と一方的に傷つき、落ち込んでしまう。「そうであるかもしれないがそうでないかもしれない。それだけでは判断できない。」という客観的な態度が取れなくなる。
 この背景には「他人の評価が自分の価値の全てを決める」という歪んだ考えがあることが多い。「人からどう思われているか」を必要以上に気にして動揺することになる。

7.拡大解釈と過小評価

 自分の持ついろんな資質の中で、悪いところや駄目なところをことさら大きく、重大なことのように思い(拡大解釈)、良いところは小さく見積もってしまう。(過小評価)「自分は悪いところだらけだ」と自己否定的になってしまう。

8.感情的決めつけ

 「自分がこう感じているのだから、現実もそうであるに違いない」と思いこむこと。
絶望感にとりつかれていれば、客観的にみれば大したことではなくても「事態は絶望的だ、もう駄目だ」としか思えない。
 また、問題をすぐに「取り返しのつかないこと」と考えてしまう。世の中のたいていのことは取り返しがつくものだが、すぐに「もう全て終わり」「絶体絶命」という気分になってしまう。

9.「すべき/せねばならない」思考

 何をするにおいても「こうすべきだ」「こうあらねばならない」と厳しい基準を作り上げてしまう思考パターン。完全主義とも関連する。「常に明るく振る舞っていなければならない」など。厳しい基準を課すものだから何をやっても満足感は得られず、自己嫌悪に陥ってしまう。その連続に嫌気がさしてどんな努力も無駄に感じ、やる気を失ってしまったりする。

10.自己関連づけ

 身の回りで起きる良くない出来事を何でも自分の責任だと思ってしまうこと。
 子供の成績の悪い母親は「自分が駄目な母親だから」と全て自分の責任だと感じてしまう。必要以上に周囲の出来事を自分の責任にしてしまうことで重荷を背負い込んでしまう。

心理状態の影響はどこから来ているでしょうか?

 わたしたちの心理状態の影響はどこから来ているでしょうか?
 わかりやすく書いてみましょう。

 わたしたち人が成長する過程において、精神的、肉体的なダメージを受けたり、親や周囲の人に繰り返し言われて来た事が、車が何度も通って道に残った車輪の跡のように残り、無意識に「心の癖」や「パターン」を形成しながら大人になっていきます。

 「自己肯定ができていない」と言われるのもそうです。

 幼児期に虐待などを受けた人だけでなく、当時の親や周囲がよかれと思ってした事も含め、無意識な行動や言動、人生の経験などにより、「心の癖」「パターン」が形成されてしまうケースも多々あります。その中にはストレスや心的外傷後ストレス障害(PTSD)などのトラウマなども含まれます。

親も同じ問題を抱えている

 現代の日本においては、ほとんどの家庭が、程度の差はあれ、こうした問題を抱えている可能性が高いと言えます。なぜなら、親自身も幼少時に同じような経験をしている事があるからです。子供が成長する過程において必要なこと、「人として愛されたい」、「自分を受け入れてもらいたい」、「自分を認めてほしい」といった事を自分が子供だったころに十分にされていないため、その事に気付かず、自分が親になって、子どもに対して十分にできていない事が多くあります。

 度々報道される、虐待事件の根は考える以上に奥深いかもしれません。長岡京健康みらい研究所にいらっしゃる方で自己肯定ができているという方は一人もいませんでした。これは重大な問題です。

 日本はもともと精神世界も大切にする民族でしたが、いつの間にか「科学的根拠があるものだけ認める」ことが重要と思い込むようになり、精神世界の話など、「目に見えない世界」の話がゆがめられ、敬遠されてしまったこともあり、精神の構造についてよく知らない人が増えた事も大きな原因ともいえます。

子供は親の鏡、親は子供の鏡

 親が感情的になり、子供に「ダメな子」「バカ」といった否定的な言葉を繰り返し多く使うことで、子どもの心には無意識の「心の癖」「パターン」として残る場合があります。

 例えば、長男・長女に対しては親が「しっかりした子ども」を過度に期待してしまうことで、子どもがそのようにふるまい、「自分が頑張らねばならない」といった「完全主義」「統制」などの思考パターンが刷り込まれてしまう事もあります。
 また末っ子がムードメーカーとなり、場を和ませたり、お茶らけるという役割を持つこともあります。

 子供の頃に親から暴力を振るわれて抵抗できず、その怒りの感情をずっと抑えてきた人が大人になってから、暴力的なパートナーと結婚したり、自分の子どもに対して、自分が親にされたように、わけもわからず怒りをぶつけている場合もあります。

 あるいは職場の上司や社長との関係や、異性との関係にも親との関係がそっくり現れている場合もあります。自分では「よくない」とわかっていてもどうしたらいいのかわからない人は多くいます。

 以前、長岡京健康みらい研究所にレイキセッションを受けに来られたクライアントさんが「自分の親に注意して欲しい」と頼まれた事があります。注意する事はできませんが、話を伺ってみる事にしました。クライアントさんの親に直接話を伺うと、表現が異なるだけで、同じ本質の問題を抱えていた事に気付きました。

 「子供は親の鏡、親は子供の鏡」とはよく言ったものです。

「頑張ろう」「がんばれ」「頑張る」

 何かにつけてやたらと「頑張ろう」「頑張る」という人達が多くいます。

 実は相談される方で「辛いエネルギー」「疲れてしまっている」のを感じるのが、日常のちょっとした事、何かにつけて「頑張ろう」「頑張ろう」という人です。
 しかし、やたらと「頑張ろう」という人に人生がうまくいっている人はいないのではないでしょうか。以前の私がそうでしたが「がんばろう」と言われ続けて、耐えられなくなっている人もいます。

 「頑張ろう」「頑張る」と頑張り過ぎて心が折れてしまったまま、歳を重ねてしまった人も多くいます。

 「向上しよう」、「成長しよう」と努力しているけど、身体が「助けて!」と悲鳴を上げていることがほとんどです。私は「もっと力を抜きましょうよ」と話をします。この「力を抜く」というのが難しいのでヒーリングによる支援が必要なのですが。

 オリンピックや試合などで限られた時間の中で最大限の力を出して記録を出すような場合には頑張ってもいいのです。選手達はむしろ力を抜いている事の方が多くあります。近年知られてきましたが、力を一歩抜いてリラックスして競技に挑んだ方が却っていい結果が出やすいのです。

 ところで「頑張る」「頑張ろう」という言葉発想のはどこからきているのでしょうか?

 年代的に見ていくと、おそらく、日本人の高度成長時代を経験してきた人達に無意識に刷り込まれた「頑張れば幸せになれる」と「頑張らなかったら幸せになれない」がセットになっている可能性があり、無意識に「心の癖」「パターン」になってしまっているのではないかと思います。

人を責める必要はありません。

 今まで書いてきた「心の癖」「パターン」は悪い所ばかりではありません。
 自分を守る盾になっていた面もあります。子供は親に嫌われたら生きていけませんから、嫌われないように無意識に「心の癖」「パターン」が形成されてきた面もあるのです。

「親も完璧ではない。」
「あの苦しかった経験、悲しかった経験も自分の人生に何かを教えるために起こってきたのだ。」
「あの人もあの時はそうするしかなかった」
「親を許しましょう」

 こういって前向きに考えればよいという人もいます。
 しかし、そう言われて「なぜ許さなければならないんだ!」と腹を立てて許せない理由を述べるのもその通りです。しかもそういう人の方が多いのも事実です。

 ストレスあるいは心的外傷後ストレス障害(PTSD)などもそうですが、「心の傷」や「怒り」「恐れ」「悲しみ」といったネガティブな感情が長年にわたって繰り返し「蓄積」されるほど、「心の重荷」となり、なかなか前向きに考えられないのも事実です。こうなると対面カウンセリングだけでは不可能なレベルになっていることもめずらしくありません。

 これがひどくなると対面カウンセリングや自己ワークだけでは自分では不可能なので、ヒーリングなど信頼できる専門家の手を借りて対処した方が早く「上昇」して、運もよくなっていきます。

 私もレイキで自分の傷ついた心を修復していったことで、運がよくなっていきましたので、思い辺りのある方はヒーリングで癒しながら、対人関係を修復していくことをお勧めします。

ヒーリングで回復していくために 

 これまで見て来た現在の自分に対して「それが自分の性格なんだ…」と諦めてしまっている人もいるかもしれませんが、それも「認知の歪み」にすぎません。

 「心の重荷」にあえいで、周りの風景がよく見えない状態の結果として「認知の歪み」が生み出され、それによって本来あるべき認知が邪魔されているため、客観的に見ていくことが難しくなるのも現実です。

 悪いことにこの悪循環でますます「心の重荷」を背負ってしまうこともめずらしくありません。

 私が「心の重荷」をおろした後に感じた「安心感」「やすらぎ」は言葉では伝えられませんが、「心の重荷」をおろすことによって、人間関係や気付きやヒラメキが早くなり、あれだけ後ろ向きだったコミュニケーションも嘘のように積極的になり、対人関係も改善していきました。

 もし、あなたがこうした「認知の歪み」で悩んでいるのであれば、悩んで時間を無駄にするより、一日も早く、お金をかけてこの問題について感覚的に理解しているヒーラーによるヒーリングを受けることをお勧めします。手前味噌になりますが、私も感覚的によくわかる一人です。
 本当に自分の人生で「安心感」「やすらぎ」を得ていくことはお金に換えがたいものです。